牛肉や豚肉よりも昆虫食が優位な理由:トレハロースとは!

なんで昆虫食が普及しないんだろう。

昆虫食はFAOでも推奨されるような食品で、歴史的に人類も食べてきたし、栄養的にも豊富なたんぱく質だしということが言われています。

でも、タンパク質って牛肉や豚肉と同じぐらいの含有量なんですよね。

それなら昆虫ではなく、牛肉を食べたい。

そんな方が多いと思います。

そして、そんなあなたに朗報です!

牛肉や豚肉にはないメリットがあることがわかりました。

それはトレハロースです!

トレハロースとは…?

トレハロースは糖類の一種

そもそもトレハロースとは何者なのでしょうか?

答えは糖類です。

その中でも、二糖類というものに分類されます。

二糖類といっても、よくわからないですよね(笑

ぶどう糖や果糖といった単糖類が2つつながると二糖類になるということです。

これが数個~10個だとオリゴ糖。

それ以上だと多糖類になるようです。

昆虫食からまさか糖類の話になるとは。

昆虫食は深いですね。。。

糖類と言えばグルコースやデンプンなどは聞いたことがあるかもしれませんが、これらは単糖類です。

そのグルコースが2つ結合したものがトレハロースになります。

トレハロースは人が作り出すことができない糖類です。

摂取するには食べるしかないんですね。

食べると、小腸と腎臓から分泌されるトレハラーゼという酵素によって分解し、多くの糖類と同じようにグルコースとして吸収することができます。

甘味はショ糖の約45%しかないため、しつこくない控えめで上品な味となっており、お菓子作りなどのバリエーションとしても使えます。

こういう点からは、昆虫食のお菓子としての可能性を感じますね。

トレハロースが多く含まれる食品は?

トレハロースはパンやキノコなどに含まれている天然糖質です。

キノコ類、パン酵母に比較的多く含まれており、固形物当たりのトレハロース含量はキノコ類で最大23%、パン酵母では最大11%が含まれます

酒類(日本酒,ビール,ワイン)、みりん、大豆製品、エビ類に含まれています。

海藻類ではモズク、ヒジキに含まれています。

各々のトレハロース含量は、

  • 酒類 30~240ppm
  • みりん 260ppm
  • 大豆製品 5~150ppm
  • エビ類 25~5000ppm
  • モズク 4ppm
  • ヒジキ 700ppm(10000ppmで1%)です。

昆虫にも多く含まれていて、ネムリユスリカの幼虫乾物重量は最大で20%にもなります。

トレハロースを食べた時の効果

トレハロースは物質としていろいろな効果があることがわかっています。

  • でん粉の老化防止抑制
  • たんぱく質の安定化
  • たんぱく質の変性抑制
  • 食品の食感向上
  • 味質改善
  • 保湿効果
  • 生魚臭さ成分のトリメチルミンの生成を抑制効果
  • 脂肪酸化の抑制
  • 冷凍時の食品の劣化抑制
  • 細菌の増殖抑制
  • 野菜の褐変抑制③、④

こういったことから、実際に人が食べるといろいろな効果があるようです。

例を挙げると

  • 細胞保湿効果
  • 虫歯予防
  • 骨密度の減少抑止
  • 細胞膜保護
  • 加齢臭などの臭い抑制
  • メタボリックシンドローム予防
  • 耐糖能異常の予防
  • タバコ煙成分による細胞障害の抑制
  • 酸による細胞障害の抑制
  • 乾燥による炎症性因子産生の抑制
  • 運動能力の向上
  • インスリン低分泌作用

などと言われています。③、④

トレハロースにデメリットはあるの?

ではそのような人間に対して沢山の効果があるトレハロースですが、悪い影響はないのでしょうか?

トレハロースは、キノコや他にも酵母菌や海藻、ヒマワリの種にも含まれており、古くから人間のエネルギー源として利用されています。

そして食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)、国立医薬品食品衛生研究所(NIHS)の安全性評価では摂取上限はなく、JECFAによる評価、米国のGRAS物質評価、EUのNovel Foods、でも承認され、安全性が確認されています。⑤、⑥

こう考えると、トレハロースを摂取しない理由がありませんね!

スズメバチやサバクトビバッタが強いワケはトレハロースにあり!?

トレハロースは、昆虫であるバッタ、イナゴ、ハチなどほとんどの昆虫に含まれており、スズメバチの幼虫と成虫が口移しで交換する栄養液のVAAMにも含まれています。

1日100キロ以上飛翔するスズメバチや、体長の数倍から数十倍もの距離を飛ぶことが出来るバッタ、イナゴなどは、このトレハロースを人間と同じようにトレハラーゼで分解して、グルコースにすることでエネルギー源として利用しているということです。

クマムシやネムリユスリカなどが行う水分が無くなると一時的に生命活動と停止する乾眠や、砂漠に生息しているイワヒバという植物が乾燥し萎れることがありますが、どちらも水分を与えると生命活動が回復します。

これらの現象もトレハロースによるものだと言われており、エネルギー源としてだけではなく、様々な生命活動の重要な物質とされています。

昆虫は人の26倍の血糖値でも問題ない理由

人間の正常な血糖値は60から140㎎/㎗と言われていますが、昆虫の血糖濃度は400から3000㎎/㎗(10-80mM)言われています。

その差は約26倍です。

人間では空腹時の血糖値が110㎎/dl以上または、食後2時間で200㎎/dl以上だと高血糖となってしまうのですが、昆虫は常に高血糖状態ということですね。

人間にとって高血糖は良くない状態だとされています。

その理由の1つとして、グルコースがたんぱく質と結びつき、たんぱく質の構造を変化させ性質を変えてしまう糖化反応を起こすことで、生体に老化促進などの悪影響を及ぼすためです。

では、なぜ昆虫は高血糖なのに問題ないのでしょうか。

それは、血糖が人のものはグルコースであるのに対して、昆虫のものはトレハロースだということが原因です。

具体的には、トレハロースのたんぱく質の糖化反応を抑制する(変性抑制)効果が効いているんですね。

また、インスリン値、血糖値の上昇、下降が穏やかで、グルコースに比べインスリン刺激が少なく、糖尿病に対しても効果があると言われています。

トレハロースの効果、ご理解いただけたでしょうか。

まとめ

昆虫の多くが含んでいるトレハロースは人間に様々な良い効果があるということがわかりました。

特にトレハロースは人間が体内で作ることができないので、摂取するしかないんですね。

たんぱく質だけでなく、他にも多くの魅力的な栄養素が詰まった昆虫食を、「他の肉が食べられなくなるから仕方なく食べる」ではなく、「昆虫食の栄養価が高いから食べる」という理由で、食べてみるきっかけになってくれると嬉しいです。

感想

セミたまのインターン生として、初めてのブログ作成をさせてもらいました。ブログを作成していく中で、昆虫食の新たな一面そして重要性を改めて実感しました。まだまだ未熟者ですが、これからもさらに昆虫食について探究していきたいです。

インターン生 大澤 英輝

今後の昆虫食とトレハロースの課題

実は、トレハロースという物質については、これまでの述べてきたような効果があります。

ただ、昆虫の中に含まれているトレハロースに同様の効果があるかは検証ができていないというのが現状です。

そのため、正確な情報として、昆虫を食べればトレハロースの効果を必ず得られるかというのは、まだ言い切れないというのが実際のようです。

これからそのような検証をしていっていただける方が出てくることを期待したいですね。

参考文献

  1. https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk1995/45/6/45_6_381/_pdf/-char/ja
  2. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscta1974/33/1/33_1_20/_pdf/-char/ja
  3. https://gourmet-note.jp/posts/10740
  4. https://www.hayashibara.co.jp/data/66/rd_tp_four/
  5. https://treha.jp/faq
  6. https://www.mhlw.go.jp/content/000566525.pdf
  7. https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/33/4/33_4_259/_pdf