毎年11月3日に実施されるくしはらヘボまつり。
蜂の子を食べる文化があることから、蜂の子が採れるクロスズメバチの巣の大きさを競うお祭りです。
2020年は新型コロナウイルスの関係でオンラインでの実施になりました。
その様子をお伝えします。
クロスズメバチは、串原地域ではヘボと言われます。
それ以外にも地蜂、スガレなど、いろいろな呼び名があるんですね。
司会進行は昆虫食先進国ニッポンなどの昆虫食に関する書籍も書かれている立教大学の野中健一先生です。
今回はオンラインということで、中国や韓国など海外からも参加されていました。
ヘボまつりの特徴
ヘボまつりの特徴としては、巣はみんな自身で育てたものを持ち込んでいるということですね。
もともとは天然ものなのですが、6月頃に見つけた巣を自身で作った箱に入れ替えて、そこで育てたものを持参します。
イメージとしてはウナギの養殖のような感じですね。
ある程度育ったものを大きくする部分を人工的に行っています。
まだ完全養殖ができていないので、そこは昆虫食業界としては課題ですね。
面白いのが、箱に入れ替えた後、どれだけ大きくなるかは気候が大きく影響しているということです。
暖かい地域では大きな巣にはならないそうです。
寒冷地が良いということで、標高は800メートルぐらいの場所が良いということでした。
また、山の中で飼育している方が農薬等による影響もなく、餌も豊富にあるので、育ちが良いということでした。
今回は6キロほどになる巣もありました。
生の蜂の子が食べられる
蜂の子は一般的に売られているのは佃煮がほとんどです。
つまり、醤油と砂糖によって味付けされているということですね。
ヘボまつりでは、クロスズメバチの巣がそのまま出てくるため、生の蜂の子を食べることができます。
また、蜂の子を巣から取り出すという作業もできるとようで、なかなか普段はできない体験も可能です。
クロスズメバチの蜂の子の採り方
巣を見つける
蜂の子を食べるには、クロスズメバチの巣を見つける必要があります。
その巣を見つける方法というのが、なかなか原始的で、蜂追いと言われます。
どういう方法かというと、蜂に目印のついた餌を運ばせるんですね。
目印というのはいろいろなタイプがあり、人それぞれのようです。
巣を取りだす
巣を見つけた後は、箱に移し替えて育てます。
箱から出した感じはこんな感じになります。
スズメバチの成虫を吸う
この状態だと、スズメバチがたくさん飛んでいるので、それを掃除機で吸います。
巣を煙でいぶすと成虫は近くには来なくなるようです。
このあたりはキイロスズメバチと同じような感じですね。
成虫を吸った後、巣をひっくり返して、蜂の子を採れる状態にします。
遠目から見ると、クリームが塗ってあるように見えますね(笑
この後、蜂の子を採る作業というのもなかなか面白かったりもしますが、1匹1匹取り出すので大変でもあります。
取り出して調理
蜂の子を採りだすのは、ピンセットで行うことが多いですが、ピンセットも先が曲がっているタイプの方が取り出しやすかったりというのもあったりします。
1人で黙々とやるのは大変なので、何人かでワイワイやりながらが良いと思います。
東京地蜂会の中継がありましたが、そこのメンバーの方々は数人でやっていました。
そして、そこでは蜂の子をバターとニンニクで炒めて、クラッカーに乗せて食べる料理を実演してくれました。
塩で炒めたり、ラム酒を入れたりというのもおいしいということです。
塚原信州珍味さんの話だと、蜂の子の売り上げが爆発的に伸びているということで、輸入することも考えているということでした。
ヘボご飯の素や蜂の子をローストした商品などの紹介もあり、クロスズメバチの蜂の子商品は今後も増えていきそうですね。
クロスズメバチ以外でも蜂の子を取って食べる会をやっています。