昆虫食のレストラン、ANTCICADAに行ったときのことです。
デザートとして出されたのが、フェモラータオオモモブトハムシでした。
フェモラータオオモモブトハムシの幼虫は、ちょっと工夫をすると、杏仁豆腐の味がするんですね。
昆虫食界の杏仁豆腐と言えると思います。
フェモラータオオモモブトハムシとは
外来種なのになぜ日本に?
フェモラータオオモモブトハムシとは、その名前からわかる通り、もともと日本にいた虫ではなく、外来種です。
ラオスなどの東南アジアでは在来種として生息しているものですが、日本では2009年の日本鞘翅目学会大会(現在の日本甲虫学会)にて三重県松阪市に生息していることが発表されたとのことです。
なんで日本に入ってきたのかというと、赤や緑に輝く美しい虫なので、ペットとして飼われていたものが、逃げ出したことによるものだと言われています。
日本のどこにいるの?
フェモラータオオモモブトハムシは、クズの木に生息して、成虫になると木の外に出てきます。
今では三重県の雲出川で見つかっているようです。
関東や東京ではまだ見つかったという報告はないようですが、クズの木は日本全国にあります。
そのため、何かの拍子で東京にもということもあるかもしれません。
特定外来種でないため、見つけたら駆除しないといけない対象ではありませんが、環境省の生態系被害防止外来種リストに入っています。
日本の固有種を守るという点や大豆などのマメ科の植物を食べるため農作物の影響が出る可能性もあるため、見つけたら捕って食べてしまいましょう。
捕り方
産卵は6月〜8月の夏頃なので、幼虫を食べるには、成虫になる前の冬から4月上旬頃までが採集に適した時期です。
とは行っても、フェモラータオオモモブトハムシの幼虫は木の中にいるので、木を切って見つけないといけません。
枯れ木よりも生きている木の方が見つかりやすいようです。
幼虫は越冬のために動かないのと、膨らんでいる部分にいるので、わかりやすいと思います。
クズの木とは
そんなフェモラータオオモモブトハムシが生息するクズの木ってどんな木なんでしょうか。
クズは秋の七草の一つで、茎の部分が太くなると、ぐるぐるねじれた幹になっている木になっているので、見たことがあるという方も多いと思います。
そのため、多年草と言われるのですが、木みたいなイメージです。
幹のような固くなった中にフェモラータオオモモブトハムシがいるということですね。
クズの木は、フェモラータオオモモブトハムシが好むということもあって、もちろんマメ科です。
根っこの部分は葛根湯の原料となることで知られています。
味、食べ方は?数日冷蔵庫で寝かせるのがポイント!
では、実際に食べてみるとどういう味がするのでしょうか。
茹でて食べてみると、若干苦味があるものの、コクがあり、皮の食感も良いということです。
また、枝豆のような香りがするとのこと。(参照:おいしい昆虫記)
ただ、フェモラータオオモモブトハムシは調理してすぐに食べるよりも、数日冷蔵庫で寝かせた方が断然おすすめです。
それは、3日ほど寝かせると杏仁豆腐の味になるからです!
どんな化学変化なのかはわかりませんが、甘みが出て、杏仁豆腐の香りになります。
デザートとしてトッピングとしておいしくいただけます。
養殖まで至っていないので、なかなか一般的な商品化が難しい昆虫ですが、食べる機会があればぜひ挑戦いただきたい昆虫です。