昆虫食とジビエの高級レストラン!ANTCICADA(アントシカダ)に行ってみた!

今回は東京都中央区日本橋にあるANTCICADA(アントシカダ)さんに行ってきました!

コース料理は夜の来店ということもあり、オシャレなライトアップとひっそりとした入り口が秘密基地感を漂わせています。

メニュー

コース料理(7040円)

金・土限定の「コース料理」は完全予約制で、昆虫をはじめ、野草やジビエなどを中心としたものとなっています。

ドリンクペアリング(3960円)

料理に厳選したドリンクがほぼすべての料理についてきます。今回頂いたコースでは、料理数が10種に対して、アルコールドリンクは7種がセットでついてきました。アルコールが苦手な方は、ノンアルコールに変更可能です。コオロギビールやタガメジンなど様々なジャンルのアルコールを提供してくれます。

コオロギラーメン(1100円)

2種の国産コオロギで出汁を取ったラーメンです。麺だけでなく、タレや油もコオロギから作っています。

ANTCICADA オンラインショップなどでも様々な商品を販売しています。

コースメニュー

コンセプトである「食は作業ではない、冒険だ。」を想像しながら、読んでみて下さい!

ようこそ~ スナック/コオロギビール

 

スナックは、100%コオロギ出汁から作ったもので、ラーメンの出汁として余ってしまうことがあるため、スナックにすることで長期保存することができるようになります。

サクサクしていて、コオロギの香ばしさと塩加減がちょうどよく、ビールのつまみにぴったりでした。

コオロギビールは、クラフトビールの黒糖っぽい甘さがスナックのしょっぱさと合うため、最初から食欲が促進されます。

冒険のエントランス~ 蜂の前蛹、発酵冬瓜、ふきのとう/上川大雪 つけたろう酒店

蜂の前蛹が二匹入っていて、噛むとぷちっといくらのように弾けて、あっさりとした甘さが広がります。

旬のふきのとうと冬瓜が入っていて、どちらも主張は強すぎず、ハチの優しさと共生しているように感じます。

スープがエスニック風味で、全体的に白く優しい味付けを引っ張ってくれていました。

日本酒の辛さは丁度よく、日本の食材の味を支えてくれていました。

パニプリ­~ メロン、青柚子胡椒/アルケミエ タガメジンソーダ

パニプリはインドの定番のおやつで、その食べ方は、左にある2つの揚げ物に、右のメロンとハーブのスープを中に入れて一口で食べます。

芋の酸味と柔らかい甘さにスープを入れることで、より味が引き立ち、中のしっとり感と、周りのサクサクが絶妙にマッチし、おやつになる理由が納得です。

奥のワイングラスに入っているのが、タガメジンソーダで、最初はジンの味がぶわっと来ますが、飲み終わったあとの舌に残る風味が、タガメのオスのフェロモンの洋梨っぽさで、後から追いかけてくるように感じます。

いなご、カリフラワー、春菊の泡/稲とホップ 01 YASO添

これが1番おいしかったです。

1番下にムースがあり、その上にカリフラワー、イナゴがあります。

うっすら赤く見えるのがいなごで、加熱すると赤くなります。

バッタやイナゴは茹でると赤くなるのはなぜ?アンチエイジングに効果あり!?

ムースはカニ味噌やレバームースのような濃厚で甘じょっぱい味で、他のお客さんからも美味しいという声がよく聞こえてきました。

セミの気持ち

最初出てきたときは何かわからないですよね!

見ると4ヶ所穴が空いていて、ストローで吸うと言われたので吸ってみると…

飲み物が入っていました!

 

当たりは2箇所で、その味は2つ違いました。

正解率は3-5パー程度で、どちらも当たった人は、今回はいませんでした。

見た目も匂いもわからず当てるのは難しいので、答えはぜひ自分で当ててみてください。

セミの気持ちを味わうコンセプトは遊び心があって面白いですね。

鯰、ルタバガ、ハーブたち/ウッドフォートリザッブ ほうじ茶割

鯰(ナマズ)はとても肉厚で、脂がしっかりと乗っていました。ナイフでほろけるように柔らかくて、下のソースと周りのハーブとの相性がとてもよかったです。

この秘訣は、外来魚ですが、捕まえたものを一時生け簀で飼育することで、臭みが抜け、味が引き締まるとのことです。

ウイスキーほうじ茶割のため、アルコールは抑えられていて、ウイスキーの味の強さが鯰の脂っこさとマッチしていました。

鹿、ホヤ、ちんげん菜、コオロギビネガー/夜の草原

鹿は以前食べたことありますが、今回獣臭は全くなく、レアで柔らかいためナイフでも簡単に切って食べることが出来ました。

酸味のあるホヤのソースと香ばしい黒い粉のコオロギビネガーが、鹿のしつこくない脂っこさを深い味わいにさせていました。

ドリンクの夜の草原は、4種のアルコールをブレンドして作られており、果実のような甘さがしました。

これまでとこれから~ コオロギ/WAKAZA 蚕沙どぶろく 生

白くて小さいヨーロッパイエコオロギの方が香ばしくかりかりしていました。

長期保存するときは完全に水分を飛ばしますが、これは直前まで生きていたものを見せてもらった新鮮なコオロギなのでどちらも肉質が残る程度の素揚げで、外はさくさく、中はしっとりもちもちでした。

麺、スープ、脂全てにコオロギが使われていて、普段のラーメンの出汁はコオロギが91%で他はかつおなどから出汁を取りますが、今日のコースのラーメンは100%コオロギから取った出汁だけで、塩味が強く、締めにぴったりでした。

麺は日によって使う種類の比を変えていて、この日はグリラスさんのフタホシコオロギと太陽グリーンエナジーさんのヨーロッパイエコオロギとフタホシコオロギを5:3:2の割合で作ったそうです。比率によっては濃厚さや味の強さが変わるらしいので、いつか食べ比べてみたいですね。

WAKAZA蚕沙どぶろく生は、ほぼ甘酒のような味で、蚕の糞を原料の一部に使っているらしいのですが、その味は感じることができずに単純にお酒の味を楽しみました。

蚕の糞は想像より小さく、まろやかなお茶の香りがして、これが桑の香りらしいです。

フェモラータオオモモブトハムシ

フェモラータオオモモブトハムシは見た目に反して、最初は甘く、3日ほど冷蔵すると杏仁豆腐の味に変わると言われ、食べてみると噛んだ瞬間にほんとに杏仁豆腐が広がりみんな驚いていました。

スプーンの下にある割かれた枝の中に実際にこの幼虫がいたそうで、その写真も見せてもらえました。

外来種で邪魔者扱いされていますが、その風味は他のものの香り付けに使える可能性を秘めていると思います。

モミシロップ、チョコムース、クリシギゾウムシ/カモミール、アルダーフラワー

名前の通りクリに住むゾウムシで、栗の実にいることがあり、邪魔者扱いされていますが、さっぱりとした甘さで、針葉樹のモミシロップがもみから作ったシロップで、森林にいる幻想をみさせてくれます。

チョコムースも濃厚で、全体のバランスがよく考えられている

飲み物はアルコールではないですが、デザートの甘ったるさを感じさせない爽やかな美味しさでした。

締め

四季折々に料理を変えるため、今回で26種類目のコースとなるそうです。

1つ1つの料理の前後に詳しい解説をしてくれて、原料なども見せてくれてエンターテイメントとしてもレベルの高いためになる食事をすることができました。

外来種の駆除を自ら行っていて、食事のタイミングに合わせて収獲する手間がすごいと思いました。

内装やテーブルをよく見ると、段ボール風になっていることに気付きました。飼われている昆虫の気分を感じられますね。全て特注品のお皿などにも秘密があるので、是非自分で行って確かめてみてください!

 

インターン生:大澤 英輝