世の中の昆虫の多くは食べることができます。
しかし、実は私たちの身の回りの多くの食品はしっかりした衛生管理の下、販売されています。
つまり、家の周りにいる虫を捕って食べるということは、そのような衛生管理を受けていない状態で食べることになります。
身近にいるため、簡単に食べることができる昆虫ですが、しっかりと理解しておかないと危険なことにもなりかねません。
認識しておくべきリスク、デメリットについてお伝えします。
寄生虫
野生で生きているものなので、当たり前ですが、寄生虫などの菌がいます。
そのため、生のまま食べることは危険です。
これは、豚肉などを生で食べないのと同じですね。
一般的には100度のお湯で2~3分程度煮るなど、殺菌消毒をすることが大切になります。
多くの場合が過熱消毒によって、殺菌することができます。
また、FAO(国際連合食糧農業機関)によると、まだ世界的に昆虫を媒介とした寄生虫が人体に影響を及ぼした事例はないようです。
昆虫の毒は殺菌でなくならないものもある
昆虫の中には有毒のものもいます。
サソリやタランチュラの毒は加熱処理で消えるので食べられていますが、加熱しても毒が消えない虫もいます。
たとえば、スズメバチの毒も一度過熱して殺菌しても冷えると戻ることもあり、有毒な部位を除く必要があります。
そのため、よくわからない虫は食べない、もしくは調べてから食べるようにしましょう。
市販のものが安全ではありますね。
アレルギー
エビやカニなどの甲殻類アレルギーの人は避けた方が良いとされています。
というのも、甲殻類アレルギーのもととなるトロポミオシンというタンパク質が昆虫にも含まれているからです。
将来的に昆虫食が普及していった場合は、昆虫のアレルギー検査も行われることになるかもしれませんね。
昆虫は何を食べているかわからない
天然の昆虫なので、食べているものはわかりません。
毒性のある植物を食べている虫もいるため、もしその虫を食べた場合は、毒も一緒に食べてしまうことになります。
これについては、自然にいるものを捕る場合は避けては通れない部分です。
周りにいるものだと無料ですが、購入するとなるとお金がかかるというのが課題ですね。
ただ、最近は安い昆虫食も出始めてきています。
自動販売機も徐々に増えているので、少しずつ身近で購入できる昆虫食というのは増えていくのかもしれません。
食べすぎは胃腸を壊す恐れ
当たり前のことですが、なんでも食べ過ぎは良くありません。
昆虫の食べ過ぎについていうと、バッタの脚や翅は消化しないので、後ろ足にある刺状の突起が胃腸を傷つけて胃腸障害を起こす事例があったようです。(昆虫食古今東西)
これは1日で100匹などかなり大量に食べた場合のことで、それだけ食べれば当然かなというところではないでしょうか。
セミ会などでもバッタを出したことはありますが、数匹食べれば満足という感じです。
炭水化物ではないので、おかずとして食べるのが昆虫食で、大量に食べるということはないのではないでしょうか。
また、最近は昆虫をそのまま食べるのではなく、エキスを抽出したりやパウダーにして食べるという形になってきているので、そういった点ではあまり心配はないかもしれません。
今回はデメリットについてでしたが、メリットがあるからこれだけ注目を浴びています。
その理由についてまとめました。
海外の昆虫食に関するニュースでの死亡事例
海外では昆虫食に関するニュースで死亡事例が2件見つかりました。
1つはアメリカの「虫食い競争優勝後に死亡した男性、窒息が原因 米当局」というニュースです。
原因は早食いで気道がつまってしまったことが原因で、昆虫の毒性などによる原因ではないようです。
もう1つは、ベトナムの「酒の肴にコガネムシを食べた男性3人が食中毒、2人死亡」という事例です。
酒の肴にコガネムシを食べていたところ、食中毒になったということですが、コガネムシ自体に毒性はないので、調理法や食材の管理が不適切だったのではないかと思われます。
いずれにしても、昆虫特有の毒性というものではなく、その食べ方や管理方法が原因での事故ということかと考えられます。
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