野菜や魚に旬があるように、蜂の子にも旬があります。
その時期と理由について述べたいと思います。
蜂の子として食べる蜂は大きく2種類
スズメバチ
最もポピュラーなのはクロスズメバチですが、オオスズメバチやキイロスズメバチなどの蜂の子も食べられます。
特徴は、肉食だということです。
スズメバチの成虫は樹液などを吸うのですが、蜂の子は肉食です。
そのため、昆虫などが多い夏以降に幼虫も栄養が豊富に摂取できるようになります。
また、春にできた巣は徐々に大きくなってきて、秋に最も大きくなります。
そのため、秋が蜂の子の数も一番多くなります。
そう考えると、質、量ともに秋、中でも9月中旬頃が最も良いとされています。
ただ、クロスズメバチに関しては、へぼまつりが11月初旬に実施されていることから、もう少し時期的には遅めが良いのかもしれません。
クロスズメバチが土の中に巣を作るというのも関係していそうですね。
ミツバチ
ミツバチの蜂の子もあります。
ミツバチはその名の通り、蜜を栄養とします。
そして、蜂の子も蜜を栄養とします。
そのため、蜜が多く摂取できる時期であれば、いつでも旬だと言えます。
春から夏にかけてですね。
ただ、ミツバチは蜂蜜を取るために養蜂されているのがほとんどです。
蜂蜜を取るためには、働きバチ(雌蜂)はできるだけ残しておく必要があります。
そうなると、自然と蜂の子として食べられるのは働かない雄蜂のみになります。
雄蜂は、産卵時期の4月~5月に生まれるため、その時期が蜂の子を収穫できる時期になっています。
もちろん、蜂蜜を取らなくても良いというのであれば、いつでも大丈夫ですが、雄蜂の蜂の子だけ採ることで、複数回に分けて蜂の子を採集することができるようになります。
卵から成虫になるまで、21日間ということなので、2か月の間に何回も収穫できることになりますね。
蜂の子は3種類。実は成虫も食べられる。
蜂の子は、主には幼虫と前蛹という幼虫からサナギになってすぐの状態の2種類のものをいいます。
幼虫や前蛹の状態だと、白くてイモムシのような状態です。
一般的に佃煮などで売られているのはこの2種類のどちらかだと思います。
しかし、蜂の子も生き物ですので、すべてが幼虫か前蛹の状態なわけではなく、成虫になりかけのサナギのものもあります。
頭や羽などができている状態のものですね。
実は、これも食べることができます。
成虫に近づけば近づくほど、固い部分が出てきます。
色が白い状態で少し形ができている状態だと、サクサクとした感じで歯ごたえを楽しめます。
成虫になってもそこまで固いという感じはないですが、若干苦みのようなものも出てきます。
巣ごと捕ることで、いろいろな蜂の子を楽しめるというのも面白みの一つですね。
毎年秋には蜂会というスズメバチの巣を取って食べる会も実施しています。