セミたまでは、2020年11月から昆虫食自動販売機の運営をはじめました。
メディアでも取材を受けたり、自動販売機の導入についてお問合せを受けるなど、思った以上の反響をいただいているところです。
実際に運営してみて、発見することも多く、それについて共有できればと思います。
もくじ
昆虫食自動販売機を運営してわかった3つのこと
注目度が抜群
昆虫食自動販売機の導入は全く広報活動をしませんでした。
ひっそりと始めたにもかかわらず、初日から注目されることはもちろん、売り上げも出ました。
通る人たちから話しかけられたり、近くのお店の人から話しかけられたりと地域の中で注目されるだけでなく、メディアの取材を受けるなど、全国的に発信する機会もいただくことができました。
立地は関係ない
私たちが導入したのは渋谷区です。
しかし、実は導入した場所は渋谷駅前のような目立つところではありません。
住宅地の一角で、高齢化が進み、商店街もシャッター化しているようなところです。
これまでの昆虫食自動販売機は人通りが多いところが中心でしたが、駅からも遠く、昼間人口よりも夜間人口の方が多いような場所でも十分成り立つということがわかりました。
売れるのはリアルなもの
何が売れ筋かというと、リアルな昆虫が食べられるものです。
昆虫食の普及には、パウダーやフレーバーを活用したものの普及が重要だと考えていますが、自動販売機という説明ができない状況だと、昆虫そのままのものの方が人気です。
昆虫は食べられるのか、食べても大丈夫なのかを確認してみる、抵抗感はあるが罰ゲーム的に食べてみるといった買われ方をしているようです。
導入の6つのハードル
準備
自動販売機デザイン
昆虫食の自動販売機だということでラッピングとのぼりの設置は行う方が良いと思います。
自動販売機単体ではうるさいものにしたくなかったので、シンプルなかわいらしいものにして、のぼりで「昆虫食始めました」ということがわかるもので認知されるようにしました。
商品ラインナップと販売方法
商品については、リアルなものが売れるということは事前にわかっていたのですが、国産、国内製造のものにこだわりました。
これは国内昆虫食の振興に寄与したいという思いと、SDGsの観点から輸送などで環境負荷の小さいものにしたいと考えたからです。
自動販売機特有の問題ですが、販売する際には一定程度の重さが必要になります。
昆虫食は軽いものが多いので、重りを貼り付けるといった一工夫が必要になるところです。
この点は、自動販売機設置をご快諾いただいたハンコ屋さんのハンコを貼り付けさせていただき、重り代わりにしています。
贅沢な重りです(笑
ポップ
昆虫食のパッケージを見れば、何かはわかります。
ただ、買う側としては昆虫がそのままのものなのか、パウダーやフレーバーを利用したものかによって、食べる覚悟が変わります。
そのような点から、そのまま入っているものか、そうでないものかというポップを作成し、わかるようにしました。
これによって、さらにリアルな昆虫の方が売れるという流れができたのかもしれませんが、買う側からすると、どういう味なのか、何が魅力なのかというのはまだまだ普及していない昆虫食について必要な一手間かと思います。
運営
宣伝
宣伝については特に不要という認識です。
昆虫食が注目されていることもあり、関心のある人が多く、興味のある人は買ってくれるという状況だと思います。
特に、子どもの方が関心を示すことが多く、子どもが多く通るところであるとより良いのではないかと考えています。
商品の入れ替え
商品が売れれば補充をする必要があります。
導入当初は数日で売り切れることもあるため、頻繁に補充をする必要がありますが、1か月程度経って落ち着けば1週間に1度程度の入れ替えで十分になるのではないかと思います。
電気代
他の自動販売機と同様ですが、電気代はかかります。
食品用の自動販売機を使っているため、飲料用よりは負担は少なくなります。
昆虫食自動販売機は儲かるの?
昆虫食自動販売機は儲かるのでしょうか。
これには、儲かりますとお答えします。
そして、儲かる方法についても今回取り組んでみてわかりました。
儲かるポイント
ポイントは商品ラインナップです。
売れる商品は、リアルな昆虫食です。
そのため、リアルな昆虫ラインナップをそろえることが、設けるための昆虫食自動販売機の秘訣になると思います。
また、単価については高いものでも買われるといった傾向があるため、高価格帯のリアルな昆虫食をそろえることがポイントです。
セミたまの自動販売機ではコンセプトが異なるので販売していませんが、サソリやタランチュラ、カブトムシのような商品単価が高く、リアルな昆虫を中心にすることで儲かる自動販売機に仕上げることができると思います。
課題
ただ、課題ももちろんあります。
1つは、原価率の高さです。
飲料の自動販売機に比べて仕入れ値が高く、利益率が低いということがあります。
2つめは、商品販売の手間です。
昆虫食は軽いものが多いため、自動販売機に対応させるためには重りをつける必要があり、その手間が一般の自動販売機より負担になります。
3つめは、セミたま独自の課題認識になりますが、昆虫食を食べたいというすそ野をいかに広げるかという点です。
現状の自動販売機の購買層の主力は好奇心の強い層だと思います。
それが、昆虫食がおいしいから、昆虫食を食べたいからといった人をいかに増やすか、具体的には
パウダーやフレーバー形式の昆虫食の需要をいかに増やしていくかというのが重要かと考えています。
もし、昆虫食自動販売機の導入をご検討の方はこちらからお気軽のお問合せください。
私たちセミたまでは、昆虫食に関する情報発信やイベント実施を通して地域の活性化を目指しています。
こういった情報にご関心のある方、一緒に取り組んでみたいなという方はぜひお友だち登録をお願いします。