昆虫食大学発ベンチャーのCEO、CTOに聞く開発秘話

今回お話をお伺いしたのは、群馬にある高崎経済大学から誕生したベンチャー企業「FUTURENAUT(フューチャーノート)」の櫻井蓮CEOと、同大学教授でもある飯島明宏CTOのお二人です。

こちらの企業では、コオロギパウダーを用いたゴーフレットの販売が行われています。

他の会社にない特徴としては、人間の心理に関する研究を用いて昆虫食の販売戦略を試みている点です。

高崎経済大学/研究室では……

飯島明宏研究室では、データサイエンスを用いて環境問題を専門とした研究を行っています。

研究分野の範囲は非常に広く、大気汚染やPM2.5、水質の改善、水生生物の保全などありとあらゆる環境問題に対応していて、行政の検査データを分析して政策提言も行っているそうです。

飯島CTO
私たちの学問分野は、環境心理学と言われます。
環境問題を調査していると、環境に優しい行動を取る人もいれば、環境に対して無関心な態度を取る人も存在します。
そうした人たちの行動の違いにはどういった背景があるのか、私はその心理の違いに関心を持ちました。
環境問題の根底にあるのは私たち一人一人の行動ですから、人間の行動をできるだけ環境に優しい方向に導くにはどういう働きかけをすればいいのかと、人間心理を考えながら解き明かすのが私たちの役目です。

さて、こうした環境心理の専門家が昆虫食に興味を持ったのはどのような経緯があったのでしょうか。

飯島CTOが興味を持った最初のきっかけには食糧問題があったそうです。

飯島CTO
環境問題は色々な分野がありますが、食糧問題もその一つです。
例えばフードロスの問題にしても、根底にはやはり食べ物を大切にするか粗末にするかといった心理の違いがあります。そうした心理は食べ物を残す、残さないなどの行動に繋がりますし、その心理を研究する事で食糧問題にも適切な政策提言ができるのではないかと考えていました。

私たちが食糧問題について研究していた頃、研究室では水生昆虫についての調査が行われていました。
また、その頃(2013年頃)にFAOから昆虫食に関する報告がありました(※)

そのタイミングで水生昆虫の調査のプロの方から、水生昆虫の中には長野の伊那市のザザムシのように食べられる種類もあると教えていただいたのが、昆虫食に興味を抱いたきっかけでした。

群馬県は山や緑に周囲を囲まれているため、50代や60代以上の方では昔から昆虫を食べてきた経験もあるそうです。
ザザムシは、以前セミたまでも食べてみた動画があります。(リンク:昆虫食六点盛を食べてみた(後編)

飯島CTOはここから昆虫を食べることへの抵抗感や心理構造が明らかになれば、昆虫食の普及が可能になるのではないかと考えて調査を始めました。

※ 国際連合食糧農業機関(FAO)、食品及び飼料における昆虫類の役割に注目した報告書

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