毎年スズメバチの巣ができて困っている。
そんな声が各所で聞かれます。
スズメバチに刺される被害を抑えるためには、できるだけ早く駆除するのが良いはずです。
一方で、駆除した際には蜂の子を入手できるといったメリットもあります。
そういった点も含めてどの時期にスズメバチの巣を取るのが良いかに迫ってみたいと思います。
スズメバチの一生
スズメバチの寿命はどのぐらいかご存じでしょうか。
実は2パターンあります。
1つは働きバチです。
食べ物を集めるメスと巣の中にいてほとんど何もしない雄。
この両方ともが冬を越すことができません。
そのため、およそ半年ぐらいの命です。
もう1つは女王蜂です。
女王蜂は、生まれた時から働きバチとは大きさが違います。
そして、時期が来ると巣から出て、雄と交尾をします。
その後、木の皮の中などで越冬するんですね。
そして、春から巣を作り始めて、子孫を残します。
そして、冬には他の働きバチと同様死にます。
つまり、約1年の寿命があることになります。
巣の状態を見ると、春頃に作り始めるので小さく、そこからずっと拡大していくため、最大になるのは冬になります。
取るべき時期は?
安全面:見つけたらすぐに駆除
人が多く通るところに巣ができた場合は、見つけ次第すぐに駆除するのが良いと思います。
スズメバチはこちらから攻撃をしなければ襲ってこない蜂ではありますが、近くに近づいたり、何かの拍子で振動が巣に伝わったりすると、攻撃をされたと思って向かってくることがあります。
巣に気づかずに近づいてしまう人もいるので、人が多く通るところは巣の大きさに関わらず早めに撤去するのが良いと思います。
巣が小さければ、それだけ中にいる蜂も少ないため、比較的簡単に取れると思います。
食用面:蜂の子が多い時期に取る
巣の中の蜂の子を食べるということを目的に取る場合は、巣ができるだけ大きくなった時が良いです。
ただ、冬が近づくにつれて、卵が産まれる量は少なくなるため、時期を逃すと巣は大きいのに中の蜂の子は非常に少ないといった状態になります。
最も大きくなるのは、9月~10月頃です。
経験からいうと、キイロスズメバチは9月中旬ぐらいが最適かと思います。
10月になると、朝夕が寒くなってくるので、寒いうちは蜂も動きが鈍いです。
そのため、捕りやすくなりますが、蜂の子の量としては9月の方が多いという感覚です。
クロスズメバチを取る地域では、そばの花の時期もしくは少し後が良いということが言われています。
そばの花の時期というのは、8月下旬から9月中旬頃のようなので、9月中旬が良いでしょう。
巣の見つけ方は?
キイロスズメバチについては、軒先などに巣ができているので目で見つけやすいと思います。
クロスズメバチやオオスズメバチは地中に巣を作ることがあるため、蜂追いもしくはスカシといった方法を採ります。
蜂追いとは
蜂追いというのは、その名の通り働きバチを追いかけることです。
時速40キロほどのスピードで飛びます。
これは100メートルを9秒ぐらいで走る人と同じぐらいのスピードなので、まず追いかけることはできません。
そこで、餌に目立つ目印をつけて、それと一緒に運ばせることで、遠くからでもどのあたりに行ったかをわかるようにします。
大抵は1度で巣を見つけるは難しいため、何度か追いかけることで、徐々にエリアを絞っていくんですね。
スカシとは
スカシというのは、飛んでいる働きバチの方向を見定めて、場所の検討をつけることです。
スズメバチは餌を持った場合は一直線で飛んでいくという特性があります。
また、餌を探している時と餌を見つけた時では触覚の状態がことなるということで、飛んでいるスズメバチを見て、どっちの状態かを判断し、巣の方向に検討をつけるという方法になります。
ちなみに、触覚が伸びているときが巣に帰る時、曲がっている時が餌を探している時のようです。
羽音の違いでも巣に向かっているのか、餌を探しているのかがわかるようで、経験がものをいうことになります。
スカシは長野県ではため巣とも呼ばれます。