2020年11月26日~29日に東京駅のグランスタで実施された虫グルメフェス。
その実行委員長を務められた株式会社サニーサイドアップの中山実行隆久さんに昆虫食イベントを実施するに至った考え方やそのコンセプトについてお伺いしました。
もくじ
昆虫食イベントに注目した理由
そのような中、どうして昆虫食という取り組みを行うに至ったのでしょうか。
会社として今後力を入れて取り組んでいくことの1つとしてSDGsを考えています。。食糧問題は一つの課題で、最近では昆虫食にムーブメントの兆しがあると考えています。ただ、大きなうねりになるには起爆剤的なものが必要というところで、取り組んでみようということになりました。
個人的な思いですが、昆虫食というおいしい食べ物があるのに存在を知らないのはもったいないと思っていたというのもあります。
個人的な思いですが、昆虫食というおいしい食べ物があるのに存在を知らないのはもったいないと思っていたというのもあります。
虫グルメフェスという形になったわけ
PRという点では、いろいろな手法がある中で、なぜ虫グルメフェスという形になったのでしょうか。
メディアと日々接している中で、イベントとして形になっているものの方がメディアとしては取り上げやすいので、イベント形式にしました。
今回はvol.0ということですが、その意図はどういったところにあるのでしょうか。
これには、あくまでトライアルという意味が含まれています。フェスとして成功していくものなのか、そうではない形が良いのかも含めてトライアルで実施しました。
東京駅内のグランスタという場所にしたのはどういった狙いがあったのでしょうか。
公園などでわざわざ来てもらうというよりも、人通りの多いところで実施して、見てもらう必要があると考えたので、もともと通行量が多い東京駅構内にしました。11月末という新型コロナウイルスの発生状況も比較的落ち着いていた良いタイミングで実施できました。
虫グルメフェスという名前は、ぴったりな名前だと思いました。このような名前にしたのはどういった考えからだったのでしょうか。
昆虫食のお店は、虫を提供することが目的ではなく、おいしいから、からだに良いからという考えから出しています。つまり、肉や野菜等と横並びでおいしく調理しようという考えがあるんですね。この部分を出したいと思いました。
もちろん、昆虫の外観そのままを出した方がインパクトは強かったとは思いますが、ポップだったり、オシャレだったりといった要素が必要だと思ったのでこのような名前にしました。結果として、若い女性にも響いたのかなと思います。
もちろん、昆虫の外観そのままを出した方がインパクトは強かったとは思いますが、ポップだったり、オシャレだったりといった要素が必要だと思ったのでこのような名前にしました。結果として、若い女性にも響いたのかなと思います。
出店者、参加者、メディアの反響は?
出店をされた方々の声としてはいかがでしたか?
これまで実施されてきたものは、昆虫食に強い関心のある人が対象のもので、今回が初めて一般の人向けの取り組みだという声がありました。そういう点も含めて非常に喜んでいただけました。また、昆虫食に関わる人同士での横のつながりができたのも良かったということでした。この横のつながりが業界全体の盛り上がりにつながればと思っています。
どういう方々が来場されたのでしょうか?
女性が多かった印象があります。男性の方が食に対しては保守的なのかなと感じました。
来場者の方々の反応はいかがでしたでしょうか。
興味本位、おっかなびっくりという人が多かったですが、何人かで通った人の1人が虫だってと拒絶反応的な声をあげても、それに対して、「昆虫食が最近流行っているらしいよ。」という反応をしていて、浸透しつつあるなというのを感じました。
出品されていたものはどういった商品の反応が良かったのでしょうか。
昆虫の姿がそのまま残った商品の方が売れ行きとしては良かったようです。
メディアの反応としてはいかがでしたか?
昆虫に関心のあるメディアの方は、パウダー系の食品よりも虫そのままの方を好まれていたかなと思います。取材に来たメディアの方で後日一般のお客さんとしても訪問していただいた方もいらして、注目度が高いなというのを感じました。
実施したからこそ、わかったこと
実行委員長として、取り組まれてみていかがでしたか?
私自身昆虫をそれまで食べていたわけではありませんが、食べてみたら、全然抵抗なく食べられるなと感じました。しかし、厳しいことを言うと、昆虫を食べたいという理由までにはまだ届いていません。おいしい食べ物としてもう一段階上がらないといけないと思います。イベント系でいうと、肉や餃子は焼くだけでおいしいものができてしまいます。肉や餃子と比べられた際に、それでもやはり虫が選ばれるための魅力が必要になると思います。やはり食べ物なので、これやみつきになるねという要素が必要ですね。
昆虫食の課題とその解決に向けた糸口
昆虫食の課題として、最近ではパウダーを使ったものなどが出てきていますが、昆虫そのままのものの方が売れるといった状況があります。そこを打開していくにはどうしたら良いでしょうか。
料理として昆虫食が受け入れられるのは時間がかかると思います。これからは、食べるものの体験価値が求められていく時代です。まずは体験する部分でムーブメントを起こしていき、そこから日常化していくといった流れになると考えています。
最初にインパクトがあるものを食べて、普通に食べられるといった感じを持ってもらった方が浸透しやすいかもしれませんね。
今は、虫が入っている、入ってないで買われている部分があると思います。しかし、この状況は早々になくなってくるのではないかと考えています。今後は、昆虫フードと特別な扱いを受けるのではなく、料理の中に自然に入っているものとなるのではないでしょうか。
絵的なブームだと一過性のものになってしまいます。食感など、はまる要素が入ってくると違うものになると思います。万人に受けるものではなく、ニッチでもはまる人たちを作っていくことが大切です。
その他にも、こういう人たちにとってはなくてはならないものにするという戦略も考えられます。
絵的なブームだと一過性のものになってしまいます。食感など、はまる要素が入ってくると違うものになると思います。万人に受けるものではなく、ニッチでもはまる人たちを作っていくことが大切です。
その他にも、こういう人たちにとってはなくてはならないものにするという戦略も考えられます。
他に現在の昆虫食に関する課題はありますか?
ご飯のおかずにならないことですね。海外の三ツ星レストランなどでも昆虫が使われていますが、トッピング、前菜といった扱いです。昆虫がメインディッシュとしての使われていくと良いと思います。
今後の昆虫食フェスに求められる方向性
次回、虫グルメフェスをするとしたら、どのような形になりそうでしょうか。
まずは出店者のバリエーションが増えると良いですね。食べ物のバリエーションが少なかったので、中華、エスニックなど、料理の種類が増えると良いと思います。そうすれば、いろいろな食べ方があるということがわかり、自分がおいしいと思う昆虫食を見つける楽しみというのが出てくるのではないかと思います。
また、人気シェフとのコラボやフェス限定のプロデュースというのも面白いと思います。そうすると、うちの店でもメニューで考えてみようという広がりも出てくるのではないかと思います。
また、人気シェフとのコラボやフェス限定のプロデュースというのも面白いと思います。そうすると、うちの店でもメニューで考えてみようという広がりも出てくるのではないかと思います。
虫グルメフェスvol.1の実施楽しみです!本日はありがとうございました!
ただ、依頼を受けるだけでなく、自分たち自身でもたのしいさわぎをおこしたいというのが会社のスローガンを体現するため、自社発信の取り組みもこれまで実施してきました。