バッタやイナゴは茹でると赤くなるというのをご存知でしょうか。
そもそもバッタを茹でるという経験をすることはないので、知らない方はほとんどだと思います。
でも、実際にバッタを茹でてみると、赤くなるんです。
そして、それがなんとアンチエイジングに効果のある成分でした!
今回は、その秘密についてお知らせします。
赤くなるのはエビやカニと同じ
カニやエビは茹でると赤くなります。
茹でなくても、焼いたりしても熱を加えると赤くなりますね。
その理由はなぜか。
それは、カニやエビと同じアスタキサンチンという色素があるからです。
アスタキサンチンは、食べ物だとサケやイクラにも含まれている赤い色素です。
サケやイクラはもともと赤いですが、カニやエビはもともと赤くはありません。
なぜ、カニやエビは赤くないのでしょうか。
実は、アスタキサンチンは、タンパク質と結合すると、緑色になるという性質を持っているからです。
それは、カニやエビの殻の部分はキチン質と呼ばれるのですが、これはキノン硬化タンパク質などを含んでいます。
そのタンパク質とアスタキサンチンが結びついているので、普段は緑色なんですね。
それが、熱を加えることで、タンパク質との結合がなくなります。
そして、赤色になるという仕組みです。
これはバッタやイナゴも同じで、外側の部分がキチン質になっているため、アスタキサンチンと結びついても緑色なんですね。
そのため、熱を加えたときに赤くなるという形です。
アスタキサンチンのすごい効果
実は、このアスタキサンチンは、栄養的にすごい効果を持っています。
それは、抗酸化作用、つまりアンチエイジングに効果があります。
アスタキサンチンは、カロテノイドという色素の一種なのですが、カロテノイドで有名なものには、β-カロテンやリコピンなどがあり、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
もともと、カルテノイド自体が体内で生成できない成分のため、摂取するしかありません。
そういった点でも、イナゴやバッタを食べることで、良い効果が期待できるのではないでしょうか。
では、アスタキサンチンは具体的にどういった効果があるかというと、
- 眼精疲労の軽減
- 美白・美肌効果
- 筋肉疲労を軽減
- 動脈硬化、メタボリックシンドロームの予防
- 脳の認知機能向上など
いくつかの効果が検証されているようです。
特に網膜や脳といった部分には、特定の栄養素しか到達ができないのですが、アスタキサンチンはその到達できる成分の一つということで、目や脳への効果というのが期待されています。
バッタやイナゴは茹でると赤くなる。
それは、実際にやってみた事がある人でないと気づかないかもしれません。
しかし、その赤くなる成分については、実はすごい栄養的な効果があって、昆虫食を見直すきっかけの1つになるものではないかと思いました。
FAOの報告書以降、昆虫食は代替タンパク質として見られていますが、昆虫食が環境への不可といった点だけでなく、栄養面で牛や豚とは違う部分の1つが明らかになったかと思います。