昆虫食が世間で注目されるようになり、需要が増えています。
日本ではもともと蜂の子、イナゴ、蚕などが食べられており、今でも佃煮として販売されています。
作っているということは、会社はどこかでそれらを捕まえているということです。
ということは、捕まえた昆虫を買い取ってくれるのではないか。
そう思い、相場を調べてみました。
本調査は昆虫食先進国ニッポン(野中健一)を参考に2008年に著者が調査したデータをもとにしています。
オオスズメバチの巣(蜂の子)
7000円/キロ(巣の重さも含む)
オオスズメバチの巣は大きく、10キロぐらいのものになります。
巣を見つけている状態であれば、そこから2~3時間で採集するとして、10キロ×7000円で7万円の収入を得ることができる計算になります。
ただ、実際は巣全部に蜂の子がいるわけではないので、半分ぐらいで考えておくのが良いかもしれません。
また、危険が伴うため、防護服を着たりという装備が必要になります。
もし、巣を探す段階から始めるとなると、もっと時間がかかると思われます。
イナゴ
1000円/キロ
これは仕入れ先に買い取ってもらう価格ですね。
イナゴを1人、1時間でどれぐらい捕まえられるかというと、500g程度捕まえられるといった感じです。
お店では生きたものは3800円/キロで販売しているということですが、結構人気で販売日には開店前から並んでいるとのこと。
購入する人は3~5キロを買うようなので、1人だと6~10時間、2人だと3~5時間、3人だと2~3時間程度の労力になりますね。
セミの幼虫
2円/匹
セミを捕るのは1分に1匹だとすると、1時間で120円という計算ですね。
時給換算だとかなり厳しいですね。
子どもが遊びで捕まえたついでに売れたらというレベルでしょうか。
販売価格は、35匹入り1200円(缶詰)、5匹で200円(店)という感じのようです。
蚕のサナギ
蚕のサナギは製糸工場で作られたものの副産物として活用されていることがほとんどなので、買取価格はありませんでした。
販売価格が100円/100gということなので、それよりも安いことは確実です。
蚕を育ててみるというのも面白いかもしれません。
自然採集の販売には、事前の検査が大切
これまで昆虫は自然採集の、いわゆる天然物が食べられてきました。
ただ、それを販売するとなると、不安な部分もあります。
それは、昆虫が何を食べているのか把握できないということです。
昆虫は農薬等には弱いため、農薬の影響が出るということはあまりないと思われます。
ただ、重金属など、生物濃縮を経て、体に蓄積していく物質については把握できている方が良いかと思われます。
そういった点では、販売される前にある程度の個体数を検査してみるのが良さそうです。