先日、アントシカダ(ANTCICADA)の昆虫食コース料理を体験してきました。
コオロギラーメンは何回か食べたことがありましたが、コース料理は初めてでした。
そして、コース料理を体験したからこそ、わかったことがあります。
それは、昆虫食なのに、気持ち悪くないことです。
種類としては10種類近くを食べているのですが、昆虫だという抵抗感を全くと言って良いほど感じることなく完食することができました。
コース料理は他に食べている人たちもいたのですが、昆虫だってわからないという声が聞かれました。
そこで、今回はなぜアントシカダの昆虫料理は気持ち悪くないのかについて考えてみたところ、5つの理由が見つかりました。
ペースト、フレーバー、出汁
1つ目は、昆虫そのままではなく、ペースト状のものやフレーバーや出汁として昆虫を活用していうという点です。
たとえば、タガメのジンは、洋梨や青りんごのようなフルーティーな香りがするタガメを使ったお酒です。
これは、タガメの姿かたちを全く見ることなく、飲み物として楽しむことができます。
アントシカダでなく、他のレストランで出てきたら、タガメとは気づかないのではないでしょうか。
最も嫌悪感を感じやすい昆虫の姿を見せないというのが一つの方法なのだと思いました。
小さめの虫をトッピングとして活用
もちろん、昆虫の姿そのままを使ったメニューもあります。
こちらは栗の中にいるクリシギゾウムシを使ったスイーツです。
上に乗っているのが虫なのですが、見た目のアクセントとして使われているような形で、虫だと気づかないレベルのものだと思います。
トッピングとして活用することで、虫だということがわからないような絶妙なバランスの配置になっているのではないでしょうか。
虫と虫の距離を出す(集合させない)
今回姿がそのままだった昆虫で、最も大きかったのはコオロギだったかと思います。
しかし、姿そのままといっても2匹のみでした。
さらに、そのコオロギも種類の違うもので、虫と虫の距離がある程度あいているので、密集している感じにはなりませんでした。
虫の密集度というのはある程度嫌悪感を抱かせる原因になるのかと思っておりまして、そのあたりの配慮があるのではないかと思いました。
スプーン、ナイフとフォークで食べて、手や箸で食べない
これも結構大きなポイントかと思うのですが、直接昆虫を触っている、掴んでいる感が生じない配慮があるのではないかと思います。
たとえば、こちらはフェモラータオオモモブトハムシなのですが、そのまま箸で食べようとすると少し抵抗感が出てくると思いますが、このような形で最初からスプーンに乗っていると、一口でパクッと食べられるので、あまり抵抗感が出ないのではないかと思います。
実際、Youtubeなどで昆虫食を食べる動画というのは、ほとんどが手か箸で食べていて、食べるまでの動作がすでに拒否反応を起こしてしまうというか、食べるまでのリアクションが半分以上といった感じで、食べた後は意外と普通みたいな感じが多い気がします。
もちろん、箸で食べるコオロギラーメンもあるのですが、ラーメンの場合は掴むのは麺なので、抵抗感がないのではないかと思います。
完全な食材としての位置づけ
最後に、こちらは昆虫食に取り組む多くの方が意識されていることだとは思いますが、やはり完全な食材として意識していることだと思います。
昆虫の味や見た目をうまく料理に活かすということを意識されていて、気持ち悪いものを食べる罰ゲーム的な要素は一切ないコースになっています。
実は、料理を食べている時に、これはこういうコオロギを使っていますと大量にコオロギの入った袋を見せていただいたりしたのですが、たくさんの食材が入った袋といった感じで、真剣に食材として扱われているので、全く違和感なく接することができました。
真摯な姿勢というのはすべてを凌駕するんですね。
昆虫の気持ち悪さというのは、見た目の問題ですが、アントシカダの料理はどれもおいしいので、さらにプラスに感じられる部分もあると思います。
みなさんもぜひ一度ご訪問いただければと思います。