コオロギ餃子という昆虫食レシピを開発する上でのこだわりとデザイン

昆tuberのかずきさんがコオロギ餃子で実施したクラウドファンディングの達成を記念して、オンラインイベントを実施しました。

出演者

きっかけ

伊藤
どういうきっかけでクラウドファンディングを実施することになったんですか?

かずき
実は、もともとコオロギ餃子を作る気はなかったんです。2020年にコオロギコーヒーのクラウドファンディングが成功したのですが、その後に実施して失敗したらという想いがありまして。

ただ、そんな中、心斎橋PARCOの方がクラウドファンディングのサイトを見てくれて、SDGsをテーマにしたクラウドファンディング展示会をするということで、出してくれませんかという依頼があったんですね。

伊藤
心斎橋パルコの展示とはどういうものですか?

かずき
SDGsをテーマにクラウドファンディングをする人たちの取り組みを集めて、PARCO内で展示する企画です。結果として、出典しているクラウドファンディングの中では最速、最多人数での達成になりました。

餃子を開発した経緯

伊藤
なぜ餃子にしたんですか?

かずき
コオロギコーヒーのイベントをやっていく中で、子どもたちに講演をする機会が増えてきました。

ただ、子どもにはコーヒーが苦手な人が多いです。また、大人でもカフェインが苦手な人がいます。そういう声を受けて、コーヒーだけでは今後の活動の幅が広がらないなと思い、食卓に並んでもおかしくないもの、またこれ嫌いと言われないものを考えた。そのため、他にはハンバーグや唐揚げなども候補にありました。

伊藤
ご自身で作られたんですか?

かずき
自身で作れるわけではなく、OEMでお願いしています。製造のラインに乗せる工場はなかなかなく、いろいろなところに電話して、唯一さくらFOODSさんが受けてくれました。餃子の具に入れるのは良いと言われるのですが、皮にパウダーを入れるとなると、かなり断られました。

伊藤
どういうところにこだわったんでしょう?

かずき
餃子の中身は豚肉が多いと思いますが、昆虫食ではよく、コオロギと豚というのは比べる対象にしています。

伊藤
たとえば、豚を可食部1㎏育てるのに水は3500ℓ必要なのに、コオロギは1ℓで育てられるみたいな話ですね。

なぜ昆虫食とSDGsが関係するのか。貢献目標はこれ!

かずき
そのため、豚肉にコオロギパウダーを混ぜては意味がないと思って、大豆ミートにしました。

伊藤
大豆ミートの良さというのがあるんでしょうか。

かずき
大豆は味が強くないので、コオロギの風味が強く出るといったメリットがありました。

山口
また、カロリーが12個で200キロカロリーと低カロリーなんですね。

新井
私は脂っぽいものが苦手なので、普通の餃子だとあまりたくさん食べられないのですが、コオロギ餃子はヘルシーで12個十分に食べられました。これが昆虫食なのかというぐらいおいしくてびっくりしました

伊藤
開発にはどのぐらいの期間がかかったんですか?

かずき
実施を考え始めてから、2か月ぐらいでクラウドファンディングがスタートしました。

櫻井
8月上旬に会ったときには具にしかコオロギパウダーは入れないと言ってましたよね?

かずき
そうですね。それからレストランのシェフと一緒に作っていく中で、具だけだとあまり変わり映えしないねということで、皮にも入れることにしました。

山口
そのため、少し皮が茶色っぽくなってます。餃子を作るにあたって、他の人がコオロギ餃子を作ってないかなって調べたんですよね。そしたら先にセミたまが作ってた(笑

伊藤
セミたまの餃子はもっとパウダーを入れているので、ブラック餃子ということにしました(笑

コオロギブラック餃子の作り方。水餃子がぴったり!?

かずき
皮もパウダーを入れるとなると、作ってくれる工場が全然いなくて、さくらFOODSさんには本当に感謝しています。

皮に含めすぎるとつながらなかったり、割合はいろいろ試しました。5%ぐらい入れると良いのではというのを目安にお願いしました。渋谷PARCOの米とサーカスの籾山さんにも試食をしていただきました。

渋谷パルコの昆虫食レストランはどんな人が来るの?

伊藤
コオロギパウダーをFUTURENAUTさんのところのものにした理由はありますか?

かずき
信頼関係ですね。いつも力を貸してもらっているので。

櫻井
ヨーロッパイエコオロギのパウダーなので味が出にくいのですが、癖が出ないので万人受けする味になっています。一方で、香りを出したいというものには向かないんですね。どちらかというと、みんなが食べておいしいというものが作りやすいタイプだと思います。

コオロギ餃子に込めるデザインのこだわり

伊藤
新井さんはどういったところを担当されたんですか?

新井
ラベルシール、サムネイルデザインを担当しました。

最初はサムネイルで、いろいろなクラウドファンディングのプロジェクトがある中で目立たなくてはいけない。そこを意識して、かなり力を入れました。

かずき
餃子の写真はさくらFOODSさんから良いものを提供いただけました。

伊藤
ラベルシールについてはいかがですか?

新井
コオロギ餃子としてのおいしさをどう出すかを考えました。大豆ミートやコオロギパウダーを使っているこだわりを伝えたいと思いました。

そのため、良いお店の暖簾をモチーフにしたラベルシールにしました。暖簾からコオロギ餃子が出ているイメージですね。暖簾をくぐった後にコオロギ餃子が待っているという感じです。

かずき
一番良いなと思ったのがコオロギの漢字です。はじめてみる人ばかりだと思うので、インパクトは強かったです。

伊藤
なぜ漢字にしたんですか?

新井
漢字で表すことで、こだわりや品質を表すことができるからです。

蟋蟀(コオロギ)という漢字は読めないですよね(笑 コオロギ餃子はおいしいので、スーパーの試食コーナーで試食を勧められて、食べてみたらおいしくて、何の餃子か聞いたらコオロギだったということがあり得るかもしれないですね。

伊藤
クラウドファンディング全体を通して、順調でしたか?

かずき
目標額は少なかったので、達成するのが前提でした。少なくとも前のコオロギコーヒーを超えるぐらいはと考えていました。

伊藤
実際に超えましたね!今回、応援してくれたのはどういう人でしたか?

かずき
これまで関わった昆虫食に関心のある方々に加えて、餃子が好きな人も応援してくれました。実は、開始前はかなり冷や冷やしていました。もし、僕らの好きな餃子に変なものを混ぜるなと言われたらどうしようかなと。

伊藤
コオロギ餃子が手元に届いてからの反響はいかがですか?

かずき
おいしかったよが多かったですね。コオロギを感じたという人はいなかったですね。というのも、コオロギを感じましたという餃子にすると、味自体がおかしくなるんです。そのため、感覚として、コオロギの味がしないことはないなといったぐらいがちょうど良いです。

伊藤
コオロギコーヒーを作ったときとの違いはありますか?

かずき
コーヒーの場合は、パウダー混ぜてお湯で煮だして飲むという飲み物です。そういう意味では、味と香りを意識しました。

今回は具材に混ざっていて、粉を食べるので、割合によって粉感が出てしまったりということもあったので、そのあたりを意識しました。

伊藤
味と香りに加えて、食感の部分も工夫する必要があったということですね。

トークセッションの終了後、参加者のみなさんからの質問を受け付けました。

コロコロさん
今回のクラウドファンディング達成を祝してケーキを作りました!

という高校生がいたり、

山地さん
中学生の時にカメムシのコロッケのカメコロを作ったんですが、おいしく作りたいと思って。

という高校生がいたり、

大島さん
近畿大学では昆虫食が普通食だと言えるような商品開発をしていきたいとお持っています。

といったかずきさんの後輩にあたる近畿大学の学生がいたりと、非常に濃いメンバーでの話となりました。

最後は多くの方々が乱入してきたため、混乱した中での終了となりましたが、非常に楽しい会でした(笑

ありがとうございました!