2020年8月16日にテレビ愛知のサンデージャーナルにて、セミたまがテレビではじめて紹介されました。
出演者
- 石原良純
- 黒田有(メッセンジャー)
- いとうまい子
- つるの剛士
- 名和哲夫(名和昆虫博物館館長)
番組でいちばん面白かったのは、セミの種類によって鳴く時期や時間が違うという話でした。
ただ、番組で紹介されたのは一部だけです。
そこで、環境省の全国調査と重ねて、種類ごとに整理しなおしました。
セミの種類ごとの発生時期
環境省(当時の環境庁)が1995年に行った「’95身近な生きもの調査」という全国調査があります。
全国から43,583個のセミの抜け殻が集まり、専門家が種類を確認したうえで分布図にまとめたものです。
その報告書に、種類ごとの発生時期が書かれています。
| セミの種類 | 発生時期 | 大きさ | 分布 |
|---|---|---|---|
| ハルゼミ | 4〜6月 | 中型 | 本州〜九州 |
| ニイニイゼミ | 6〜9月 | 小型 | 北海道〜沖縄本島以北の南西諸島 |
| クマゼミ | 7〜9月 | 大型 | 本州〜南西諸島 |
| ヒグラシ | 7〜9月 | 中型 | 日本全国 |
| アブラゼミ | 7〜10月 | 大型 | 北海道〜九州 |
| ミンミンゼミ | 7〜10月 | 大型 | 北海道〜九州 |
| ツクツクボウシ | 7〜11月 | 中型 | 北海道〜トカラ列島以北の南西諸島 |
出典: 環境省 生物多様性センター「’95身近な生きもの調査」
ハルゼミだけが春のセミです。
おもに丘陵地のマツ林で鳴きますが、大都市圏では産地が激減しているとされています。
夏のセミでいちばん早いのはニイニイゼミで、6月から鳴き始めます。
いちばん遅いのがツクツクボウシで、11月まで発生します。
なお、この調査は1995年のものです。
30年前の数字なので、分布は変わっている可能性があります(クマゼミについては後述します)。
日本にセミは何種類いるのか
この調査の報告書には、こう書かれています。
日本に生息する32種のセミのうち28種について全国の分布の状況をつかむことができました。
番組でつるの剛士さんが話していたのは「34種類ぐらい」でした。
どちらも30種あまりで、大きくは違いません。
東京都心では7月初旬から順に鳴き始める
全国の幅は広すぎてイメージしづらいので、一か所の記録も見てみます。
宮内庁が皇居東御苑の生き物を紹介しているページに、セミ4種類の観察時期が書かれています。
| セミの種類 | 皇居東御苑で鳴き声が確認できる時期 |
|---|---|
| ニイニイゼミ | 7〜8月(東御苑のセミの中では最も早く、7月初旬から) |
| ミンミンゼミ | 7月下旬〜8月 |
| アブラゼミ | 7月下旬〜9月(8月がピーク) |
| ツクツクボウシ | 7月下旬頃〜9月(東御苑のセミの中では最も遅く、秋まで) |
出典: 宮内庁「皇居東御苑 生き物一覧」のニイニイゼミ・ミンミンゼミ・アブラゼミ・ツクツクボウシ
順番はこうなります。
7月初旬にニイニイゼミ。
7月下旬からミンミンゼミとアブラゼミ。
8月がピーク。
9月まで残るのはアブラゼミとツクツクボウシ。
アブラゼミについては「8月のピーク時における二の丸雑木林でのセミ時雨はすさまじい程です」と書かれています。
ヒグラシのページはありません。
ツクツクボウシは9月だけのセミではない
番組では、ツクツクボウシを「9月頃で秋に出てくる」と紹介していました。
名前のとおり、秋の印象が強いセミです。
ただ、発生時期は7月から11月とされています。
皇居東御苑でも、7月下旬から鳴き声が確認できるとされています。
もうひとつ、はっきりした手がかりがあります。
環境省は2008年にも同じ趣旨の調査を行い、1995年の結果と比較しました。
このとき、初鳴きの報告の一部が集計から除外されました。
「ツクツクボウシは8月下旬以降」という報告です。
理由は「セミの生態から考えて遅すぎる」からでした。
つまり、8月下旬より前に鳴き始めるのが前提になっているわけです。
9月のセミというより、「8月から鳴き始めて、ほかのセミが終わったあとも残っているセミ」と考えたほうが実際に近いようです。
出典: 環境省 報道発表資料(2009年1月)別紙1 夏の「いきものしらべ」
いつまで鳴くか
「セミは何月まで鳴くのか」も、1995年の調査に答えがあります。
その年に最後に聞いた日(遅鳴き)を集めた結果です。
| セミの種類 | 北東北地方 | 南関東地方 | 九州地方 |
|---|---|---|---|
| クマゼミ | ― | 9月中〜下旬 | 10月上〜中旬 |
| ヒグラシ | 9月上〜中旬 | 9月下旬 | 10月下旬 |
| ツクツクボウシ | 9月下旬 | 10月中旬 | 10月下旬 |
| ミンミンゼミ | 9月下旬 | 10月上旬 | 9月下旬 |
出典: 環境省 生物多様性センター「’95身近な生きもの調査」初鳴き・遅鳴き
北から南にいくにつれて、鳴き終わる時期が遅くなる傾向が見られたとされています。
秋から冬へ向かう気温の下がり方の影響が大きいため、緯度との関係が強く出たという説明です。
関東なら、ツクツクボウシは10月中旬まで鳴いていることになります。
ただし遅鳴きの報告は3,859件で、初鳴き(13,415件)より少なく、地図にはできなかったとも書かれています。
クマゼミとミンミンゼミの分布は変わってきている
1995年の調査では、クマゼミについてこう書かれています。
海岸線に沿った平地に分布し、内陸にはほとんど見られないことが読みとれます。
分布が確認されたのは、太平洋側は千葉県、日本海側は京都府までです。
東京都・千葉県・神奈川県・鳥取県・島根県などの海岸線沿いでも見つかりました。
従来の分布域から広がっていることを裏付ける資料が得られた、とされています。
ただし2008年の調査の結論は、意外なものでした。
今回の調査では大きな変化は見られず、ここ17年くらいでは急激に分布が北上しているわけではないようです。
新潟市・山形市・栃木県塩谷町からは、1件ずつ鳴き声の報告がありました。
ただし報告が少ないため、定着しているかは分からないとされています。
植木や土砂の移動で人の手によって運ばれた可能性もある、という慎重な書き方です。
ミンミンゼミについては、西日本にもいます。
ただし「東日本ではおもに平地~丘陵地に、西日本では低山地~山地に見られます」とされています。
西日本では産地が少なくなるそうです。
鳴く時間帯も種類によって違う
番組では、鳴く時間帯の表が紹介されました。
| セミの種類 | よく鳴く時間帯 |
|---|---|
| クマゼミ | 午前中 |
| アブラゼミ | 午後 |
| ミンミンゼミ | 日中 |
| ツクツクボウシ | 終日 |
| ニイニイゼミ | 終日 |
| ヒグラシ | 朝と夕方 |
京都大学の沼田英治教授も、同じような移り変わりを書いています。
ニイニイゼミの鳴き声に夏の到来を知り、盛夏には、朝にクマゼミ、昼にアブラゼミ、夕方にヒグラシの鳴き声を聞く。そして、ツクツクボウシの鳴き声は夏の終わりを告げる。
2026年には、実際に録音して確かめた研究も出ました。
麻布大学・東京都立大学・玉川大学の研究グループによるものです。
東京都八王子市・町田市と神奈川県相模原市の6地点に、自動録音装置を置きました。
録音したのは2024年6月22日から8月31日まで、24時間連続です。
確認できたのはニイニイゼミ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ヒグラシ、クマゼミ、ツクツクボウシの6種類でした。
種類ごとに鳴く時間帯が明確に違っていたとのことです。
ヒグラシは明け方と夕方付近、クマゼミは主に午前中という傾向が出ています。
番組の表と、沼田教授の書いていた移り変わりと、同じ向きの結果です。
都市では夜もアブラゼミとニイニイゼミが鳴く
同じ研究で、もうひとつ分かったことがあります。
アブラゼミとニイニイゼミは、街灯のある都市部では夜も鳴いていました。
町田市の保全緑地(図師小野路歴史環境保全地域)では、日没とともに鳴き声が記録されなくなりました。
一方、3つの大学キャンパスでは0時〜4時と20時〜23時にも頻繁に鳴いていたそうです。
ミンミンゼミ、ヒグラシ、クマゼミ、ツクツクボウシは、場所にかかわらず夜の鳴き声がほとんど確認されませんでした。
研究グループは、街灯などの夜間照明や高温環境が影響している可能性を挙げています。
都市化はセミの分布だけでなく、いつ鳴くかにも影響しているかもしれないという話です。
出典: 麻布大学 プレスリリース(2026年4月13日)「都市化でセミが夜に鳴く?昆虫の活動リズム変化を自動録音で解明」
セミが夏にしか鳴かない理由は、こちらに書いています。
どの木を探せばいいかは、こちらです。
虫取り網がなくても捕れる道具の作り方もあります。
つるの剛士のセミ好きっぷりがすごい
今回のゲストは、つるの剛士さんでした。
理由は芸能界一のセミに関する知識量を持つということです。








日本にいるセミの種類

日本にいるセミも意外と種類が多いようですが、主なものを紹介したいと思います。
大型のセミ
クマゼミ…最も大きく6センチぐらいで、黒い。関西に多い。
アブラゼミ…羽が茶色い。


ミンミンゼミ…緑色の模様が入っている。関東に多い。

小型のセミ
ツクツクボウシ…9月頃で秋に出てくる。

ヒグラシ…秋の季語だが、7月頃から出てくる。

ニイニイゼミ…体長3センチで、一番早くから鳴くセミ。
大型と小型の違い
なぜこのように大きさの違いができるのでしょうか。
それは、地面の固さ(保水率)が理由の一つのようです。
セミは木に卵を産んで、ふ化した幼虫は土の中にもぐります。
その時に、地面が固ければ幼虫が土にもぐるときに力が必要なので、大きな力が必要になります。
逆に地面がやわらかければ力は弱くても大丈夫です。
そういった点から、地面が固い地域は大型のセミ、地面がやわらかい地域は小型のセミが見つかるという違いになるようです。
都市部では大型のセミを見やすいというのは、土が固いからなんですね。
セミの種類によって、鳴く時間がずれている理由
こちらの表が非常にわかりやすいです。
鳴いている時間と鳴いていない時間があるんですね。
なぜ、このようにセミが鳴く時間がずれているのでしょうか。

愛知県のセミを食べる会
愛知県でもセミを食べる会が8月9日に実施されました。
こちらはセミたまの活動に影響を受けてということでご紹介いただいています。
なんと、昨年のセミ会の様子の写真もたくさん放送されました。
愛知県でも広めたいと思い開催とのこと。
唐揚げ粉で揚げたセミの幼虫、成虫を食べてみての感想は。
- エビの唐揚げのような味
- グリーンピース
- イモ、豆のような味が幼虫
ということでした。
さらに、セミを食べておいしかった人という声掛けに対しては、全員がおいしいと回答!
うれしいですね。
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