農林水産省や文部科学省で推進している食育。
小学校などでも取り組まれています。
実は、食育を推進する方法として、昆虫食がぴったりでした。
その理由について解説したいと思います。
もくじ
食育とは
農林水産省では食育を次のように定義しています。
よくわかりませんね。
要するに、
- 食に関する知識
- 食を選択する力
の二つを学びましょうということです。
具体的にどういうことを学ぶかというと、文部科学省では次の6点を挙げています。
- 食べ物を大事にする感謝の心
- 好き嫌いしないで栄養バランスよく食べること
- 食事のマナーなどの社会性
- 食事の重要性や心身の健康
- 安全や品質など食品を選択する能力
- 地域の産物や歴史など食文化の理解など
実は、これらはすべて昆虫食を通して学ぶことができるんです!
昆虫食が食育に最適な理由
食べ物を大事にする感謝の心
昆虫食は、実際に昆虫を捕って食べます。
また、食べるときも昆虫そのままの姿を残している調理も少なくありません。
そのため、命をいただいているということを非常に意識します。
そして、自然と食べることへの感謝の気持ちが芽生えてきます。
好き嫌いしないで栄養バランスよく食べること
好き嫌いの克服については昆虫食が最も得意なところではないでしょうか。
昆虫はその見た目から、抵抗感を持つ人が多いです。
しかし、実際に食べてみるとおいしい!
そのギャップから、食べ物は見た目ではないということ、食べ物のおいしさというものを学ぶことができます。
栄養バランスについても、昆虫はタンパク質が豊富な健康食品です。
食事のマナーなどの社会性
昆虫食というと、見た目から、オーバーなリアクションをしたり、食べたくないという拒否反応を示す人もいると思います。
そういった状況を目の当たりにした際には、食事という時間は落ち着いて食べるものだということを教える良い機会になります。
もちろん、楽しんで食べるということは良いことだと思いますので、そのあたりのバランスも含めて実体験してもらえる良い機会になるのではないでしょうか。
社会性という点では、牛肉や豚肉などに比べてタンパク質あたりの温室効果ガスの発生量が圧倒的に少ないということもぜひ知っておいていただきたいことです。
食事の重要性や心身の健康
昆虫食が注目されたきっかけは、FAO(国際連合食糧農業機関)による世界の食料危機に向けた昆虫食の活用が言われたからです。
2030年には人口が90億人になると言われており、どのようにタンパク質を確保するのかは非常に大きな課題となっています。
そういった点で、食事の重要性とは密接に結びついていることがわかります。
また、食卓を楽しくする食材としても昆虫食は期待でき、楽しい食事が心身の健康にもつながるということが感じられる機会にもなるのではないでしょうか。
安全や品質など食品を選択する能力
危険そうに見えても、安全に食べられるということがわかるのが昆虫食です。
昆虫は不衛生なものとして見られる傾向がありますが、しっかりと調理すれば安全であること。
また、養殖された昆虫などは安全性、品質としても保証されたものであることを学べます。
逆に言うと、普段食べなれた食品こそ品質にはしっかりと目を向けるべきで、昆虫食だから注視することではないという学びの場になると思われます。
地域の産物や歴史など食文化の理解など
日本では1960年代までは55種類もの昆虫が食べられていました。
しかし、今では6種類にまで激減しています。
それはなぜなのか。
日本の食文化の歴史について振り返るとともに、かつてその地域ではどのような昆虫が食べられていたのかを考えることは、地域についての理解を大いに深めることになるかと思います。
今の食生活は、数十年前に比べて大きく異なるものだということを認識する機会になるでしょう。