地域の公共施設で行われる昆虫食展。群馬ならではの特色

2021年年12月12日に群馬県沼田市で開催された昆虫展、昆虫食展と昆虫食講演会に参加しました!

第1部は利南地区コミュニティーセンターで行われ、県立ぐんま昆虫の森が昆虫展を、フューチャーノートと灯螂舎(トウロウシャ)が昆虫食展。

第2部はテラス沼田で、昆虫食の第一人者である内山昭一先生による昆虫食講演会でした。

今回は第1部昆虫食展示会編をご紹介します。

五感で感じる展示会!

昆虫展で群馬の自然と世界の昆虫たち!

利南地区コミュニティーセンター2階で開催された、ぐんま昆虫の森の出張昆虫展では、国内外の昆虫標本を展示しており、世界中のカブトムシ、チョウなど数多くの種類を見ることが出来ました。

内山先生が世界で2番目に美味しい昆虫食と言っていたハチノコ。その蜂の日本で採れる種類も見つけました。

蜂は私も大好きな昆虫で、強そうな顎にバランスの良いフォルム。そして美味しいって最高ですよね!

昆虫触れ合いコーナーでは、昆虫専門員が解説を聞きながらヘラクレスオオカブトやギラファノコギリクワガタなどの生きた昆虫を触ることができました。解説員の「木にいるときは無理に引っ張らずに、お尻を叩いて土の上に下ろしてからツノを持つといいよ」というアドバイスにより、小学生の男の子も簡単に持ち上げることが出来ていました。

幼虫は子供よりも大人の方が触れない方が多いらしく解説員も苦笑いしていました。

昆虫パネル展示コーナーでは、群馬県の四季折々の自然とそこで観察できる昆虫についての解説。そして昆虫展を開催してくれた、ぐんま昆虫の森の園長のお言葉などが展示してありました。

ぐんま昆虫の森矢島稔園長の哲学「生き物に触れずに、命の重さ大切さなんてわからない」のように、食品ロスなどが多く、尊い命、貴重な食糧の大切さに気付けない大人が多い世の中で、今回の昆虫触れ合いコーナーのように直感的に触ることができる子供のころに沢山の生き物に触れ、その感触、質感、重さに触れることはその人の人生においても、環境に対しても大きな意義のあることだと思います。

食べ比べて、美味しく勉強!昆虫食展

利南地区コミュニティーセンター1階で開催された昆虫食展では、昆虫食が注目されている様々な理由をパネルにして掲示していました。SDGsなど環境に優しい未来食としての魅力や、世界の養殖状況などの昆虫食事情、昆虫創作レストラン「INSECTS IN THE BACK YARD」の美味しそうなフルコースのメニューと食レポなどがパネルになっていました。

昆虫食展ではFUTURENAUTと灯螂舎が出店しており、それぞれ商品販売と試食会を行っていました。

文系大学発ベンチャーが昆虫食に取り組む理由。その強みとは

灯螂舎ではコオロギのマフィンやパウンドケーキなどの焼菓子や昆虫をモチーフにした小物雑貨を販売していました。

昆虫食を取り扱うショップ&ギャラリー「灯螂舎」とは

マフィンとケーキはほぼ完売の大盛況だったようです。その理由として無料でサブレを食べ比べられたからというのもあるかもしれません。右からヨーロッパイエコオロギ、二タホシコオロギ、カイコのさなぎ、蚕沙(カイコのフン)の4種で、私も4種類とも試食させて頂きました。

コオロギの2種でも味が全く違いました。この中で私が1番美味しかったのは意外にも蚕沙です。桑の葉だけを食べたカイコのフンから作ったサブレで、一切臭みは無く、さっぱりとした爽やかな風味でした。お土産として蚕沙茶を購入させていただきました。蚕沙茶にはカイコのフンが入ったティーパックが入っています。

フューチャーノートでもお馴染みの商品が販売されており、今回のイベント限定でお試しセットもありました。お試しセットではコオロギコーヒーとコオロギのゴーフレットのセットがたったの100円で、他にもコオロギ、ツムギアリ、カイコガ、ゾウムシ、テケノメイガがワンカップで、それぞれ200円で販売していました。

私はコオロギコーヒーとコオロギのゴーフレットのセットとツムギアリを1カップ購入しました。

コーヒーは風味がコオロギの香りがして、味はさっぱりとしつつ少し酸味の効いていて、飲みやすかったです。コーヒーにはコオロギの他にもカイコとバッタの味がありましたが、コーヒーを飲んでコオロギの味だと分かったのはこの日では2人だけだったらしいです。

ツムギアリも初めて食べましたが、バッタに似た食感と味で、ツムギアリの方が、肉質が少ないように感じました。大きさは日本のアリに比べて倍以上ありました。

アリはギ酸があるため、以前アリを食べたときには少し酸っぱさを感じましたが、ツムギアリは全く感じなかったです。販売に来ていたFUTURENAUTの櫻井CEOもタイでツムギアリを食べた時もギ酸の味は感じなかったと話してくれました。

まとめ~今後展示会を実施していくにあたって

展示会としての実施内容は、

  • 試食
  • 昆虫に触れる
  • 標本を見る
  • 展示を読む
  • 話を聞く

といった昆虫食に対して様々な角度からアプローチできる展示会でした。

1パックを買うには少しハードルが高い人でも、手軽に昆虫食を経験できたのが展示会の特徴かと思いました。

コミュニティーセンターのような地域の公共施設で実施したことも新たな顧客層の開拓につながったのではないでしょうか。

沼田市の方々、他にも来てくれた方々がこれからもっと昆虫と昆虫食について興味を持ってくれるといいですね!

第2部についてはこちらをご覧ください。

なぜ昆虫食はトレンドなのか。5つのメリット

感想

展示会ではパネルや解説員によるわかりやすい解説と、標本や触れ合い体験などの貴重な体験をすることができました。初めて昆虫食を食べる方が多いと聞き、すごく良い経験の場として、私自身も勉強になりました。

インターン生:大澤 英輝