昆虫食と言えばコオロギと言えるほどの1強状態ができあがっています。
昆虫を使った商品開発はそのほとんどがコオロギですね。
無印良品でコオロギせんべいが販売されて、ますますその流れは進んでいると言えます。
いろいろな昆虫がいるにもかかわらず、どうしてコオロギがここまでメジャーになったのでしょうか。
その理由に迫りたいと思います。
養殖技術の確立
コオロギは室内での養殖が可能です。
もともと昆虫食として食べられていたことや、45日で成虫になるというサイクルの速さから、海外で多く生産されています。
また、大量に生産できることで、価格が安定し、低価格で入手できるということも魅力です。
タイなどでは、コオロギ長者が出ていて、コオロギの養殖によって家を建てたという人もいるようです。
コオロギはそのまま一緒にしておくと共食いしてしまったりするので、そのあたりを意識して育てる必要があります。
味
コオロギの味はよくエビだと言われます。
それであれば、エビで良いのではと言われてしまうかもしれませんが、エビよりも手軽に入手できて、調理も簡単というメリットがあります。
養殖されるコオロギとして、主なものは2種類です。
- フタホシコオロギ
- ヨーロッパイエコオロギ
味としては、フタホシコオロギの方が旨味が強く、濃い味です。
コオロギが昆虫食として活用される強みとしては、雑食なので、食べるものによって味が変わるという点です。
養殖農家さんは、何を食べさせるかによって、差別化を図っているんですね。
こういった味に工夫の余地があるというのも商品化するための一つのポイントになります。
コオロギ4種類を食べ比べた結果についてはこちらをご覧ください。
栄養
養殖のしやすさ、味という点ではミールワームも該当します。
ただ、ミールワームは脂肪が多く、カルシウムに対してリンも多いため、食事としてというよりは、嗜好品としての楽しみ方が良さそうです。
一方、乾燥したコオロギの半分以上はタンパク質で、栄養バランス的にも優れています。
先に挙げた2種類のコオロギでは、ヨーロッパイエコオロギの方がタンパク質が多く、65%ぐらいになります。
そして、脂質は少ないので、栄養面ではヨーロッパイエコオロギの方が良さそうですね。
コオロギの食品化における課題
コオロギを使った食品開発というのは、まだまだ開発途上という印象です。
というのも、実際にコオロギパウダーを使った料理を作っていて感じたことですが、
- 食品に入れると黒っぽくなってしまうこと。
- パサパサしたり、固まらなかったりすること
- 多く入れるとコオロギの味が出過ぎてしまうこと
が課題としてあるからだと思います。
TAKEOさんのようにコオロギをそのまま食べるというのもありですね。
国産こおろぎ食べくらべ《京都・二本松・広島》 1580円(税込み)
そんなコオロギが注目される中、カイコによる昆虫食開発を進めているところもあります。
コオロギ以外の昆虫食については、養殖の問題がついて回ることになると思います。
ミールワーム、カイコはすでに養殖技術は確立しているため、コオロギの次に来るのはこの二つになるのではないでしょうか。
セミの幼虫なども中国では食べられており、流通していますが、育つのに時間がかかること、また養殖の技術という点では大量に流通するまでにはまだ時間がかかるのではないでしょうか。
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